古本屋さんで宝探し

古本屋って、どうしてこうも胸がときめくのでしょう。そのお店を見つけたのは、いつもならばバスで通る道でした。ずっと存在は知っていて、気にもなっていたのですが、そのためだけに降りるのもどうかなあと思い、見ているだけだったのです。でもその日はちょうどバスが遅れていて、それなら停留所一つ分歩こうか、ああ、あの古本屋さんに寄ってみようか。そんな気持ちになったのです。
ひとりが通るのが精いっぱいの細長い店内には、足元から天井まで、びっしりと本が詰まっていました。入口付近なんか、ただ山のように積み上げてあるのですよ。中にはビニールひもでくくってあるものもあり、シリーズものなのか、片付けが終わっていないものなのかもわかりません。でもこういういかにも「探検したい」と思えるような場所にこそ、魅力的なのですよね。
他にお客さんはいなかったので、じっくり棚を眺めました。サイズだけはなんとなく揃っているものの、ジャンルの区分はまるでなく、宝探しみたいです。最後には、文字を追っている目がちかちかしてしまいました。でも素敵な表紙の雑誌を見つけられたので、良かったです。バスが遅れてくれたことに感謝しつつ、今度はここを目的に訪れようと誓いました。

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