Monthly Archives: 9月 2018

手書き原稿の再現希望

学生時代の頃、文豪の生原稿を見たことがあります。どなたのものかは忘れてしまったのですが、修正の書き込みがとても多くごちゃごちゃしていて、字はそれほどきれいではありませんでした。ただ説明を見て「これがあの人の原稿か!」と皆で感動したことは覚えています。
パソコンなど当然ない当時は、当然編集者があの文字を判読していたんですよね。漢字の崩し方はすごいし、ひらがなもずいぶん省略されていたので、読むのは大変なことでしょう。彼らも「これはあの先生が書いたものだから、大事にしなくては」などと、熱意を持って取り組んだのかしら。そのおかげで本として残り、私たちは印字された読みやすい文字で読むことができるのですから、感謝しないといけませんね。
ただ手書き原稿が残っているなら、あえてそれをそのまま本にしても面白そうだなあとは思います。もちろん価値があるものだから、かなり難しいだろうことはわかっていますよ。ただそれでも復元という形で……なんて、贅沢かしら。読める気はしないので、コレクター魂が現れているだけですけれどね。読みやすい文字は本当にありがたいのだけれど、人柄を見て親しみを感じるのならば、やっぱり手書きが一番だと思います。

好きなものを選ぶ幸せ

今まで見た中で一番好きな小説をあげるとしたらなんだろうと、ここ最近ずっと考えています。きっかけは友人が「お気に入り映画ベスト5を勧めるね」と連絡を寄越したことでした。月額制の映画サイトに登録したことを話してから、数日後のことです。それには題名と監督名、そして出演者とあらすじが書かれていました。もちろんネタバレはなく、宣伝文句のように先が気になる文言ですよ。
まだ紹介してもらったうちの一本しか見ていないのですが、自分ならとうてい選ばないアクション満載のストーリーは、とても面白かったです。友人曰く有名な作品ということだったけれど、私は全然知りませんでした。今まで映像作品に縁がなかったのです。そんな私がどうしていきなり映画を見ようと思い立ったのかと言えば、原作の小説を読んだからなのでした。
私の趣味と言えば読書くらい。だったら友人に素敵な本を勧めてあげたい。そう思って考え続けて早一瞬間、なにがいいのか迷ってしまって、全然数が絞れません。私も5作品にしようとは思っているのですが……むしろ彼女はよくぞそこまで絞ったものだと感心します。絶対逃せないのが2作あるので、あと3冊はどうしましょうね。まったく楽しい悩みです。