Monthly Archives: 12月 2017

おばと私の一押し作家

先日親戚のおばが遊びに来た時のことです。読書家の彼女は、いつも私の書棚を眺めていくのですが、この日は驚きましたね。ある一冊を指さして「この作家!いいよね!」と言うのです。今までお互いの好みのジャンルが被ったこともない私達は、当然作家の興味が重なったこともありません。それなのに、この時はズバリ一致したのです。
私が最近知ったばかりのその人を、おばはだいぶ前から追っていたとのことで、部屋にはずらりと作品が並んでいるのだとか。なんて羨ましいのでしょう。ぜひ読みに行きたいところですが、なにせ自宅は、電車で数時間の距離。しかし彼女は「今度車で来る時に、持ってきてあげるね」と約束してくれました。お互いの都合もありますから、今度がいつかはわからないけれど、とても楽しみです。
とりあえず今は、私が読了した作品の中に、気になっているけれど買ってない新刊がある、ということだったので、その本についておもいっきり感想を伝えておきました。だって私がその作家さんにはまったのは、それがきっかけだったのですもの。お小遣いは有限で、新刊を買うので精一杯の私にとって、長年本を集め続けているおばは、いつだって強い味方です。感想を伝えるくらいなら、一生懸命がんばります。

読書どころではない不安

友人は先日、家人の付き添いで、総合病院に行ったそうです。彼女はどこに行くのにも、小説を持ち歩く人。もちろん、隙間時間に読書ができることを狙っているのです。しかしその時ばかりは、待ち時間がたくさんあるにも関わらず、とても本のページをめくる気持ちにはなれなかったと言っていました。曰く「検査結果が心配で、それどころではなかった」のですって。
なんでも家の人は、個人クリニックに行ったところ「ここでは診れないから、大きな病院に行って」と紹介状を貰ったのだそうです。初めての場所で、今までやったこともないような検査をたくさんする家族。広い場所で迷わないように気を付けて、一緒に廊下を歩きながら、あるいは長椅子で、検査室に入った家族を待ちながら、自分の心臓も常にドキドキしていたと言っていました。でも、そんな不安を見せるわけにはいかないので、必死に内頬をに力を入れて、真顔を見せていたのだとか。
私が話を聞いた時には、すでに諸々の結果は出ていて、命にかかわる病ではないことはわかっていました。しかしそれまでの間は、本当にさぞ大変だったことでしょう。いつもなら心を落ち着けてくれる読書が、できないほどの動揺。それを経験し乗り越えた彼女を、尊敬します。