Monthly Archives: 2月 2017

些細な現実から広がる想像

指先の一か所がかゆくて、でも虫に刺された様子はなくて、何事だろうと目を凝らしてみたら、皮一枚がすうっと細く、切れていました。きっと紙を扱った時に、怪我をしたのでしょう。このようなことは案外多く、血も出ない癖に水がしみる気がするのが、不思議なものです。それとも自分が気付かないだけかしら。
でもこれくらいでも痛いことを考えると、今読んでいるファンタジー小説で、剣で斬られてしまった騎士は、いったいどのくらい辛いのでしょう。比べるレベルが違いすぎることは承知の上で、そんなことを考えました。よく何事も経験がなければ書けない、という人もいますが、私は絶対に、そんなことはないと思います。だってこのかっこいい騎士を書いている作者の方が、剣を振るって敵と戦った過去、ましてや傷を負ったことがあるなんて、到底思えませんもの。でもこんなに素敵な場面ができあがるのですから、やっぱり大事なのは、想像力ではないでしょうか。
さて、そうやって熱く語ったところで、その小説の世界に戻りましょう。危機を乗り越えた彼は、この後どんな道を進んでいくのか。自分の擦り傷の痛みから、私も想像が広がります。きっと苦労している彼には、最高の舞台が用意されていることでしょう。

疲れた自分に休息を

先日、自室で目薬をさした後、なぜか私はそれを、中身が入ったマグカップの中に入れてしまいました。数分後にお茶を飲もうとして気付き、なぜこんなことをしたのかと、愕然。時々このように、ぼんやりしてしまうときがあるんです。
いつだったかは、右手に買ってきたばかりのアイス、左手に一緒に購入した漫画を持って冷蔵庫に近付いて、冷凍庫に漫画を入れていました。これは自室に行って荷物を置こうとしたときに発覚し、すぐに台所へ戻りましたよ。放っておいたら、本が水分を吸って、しなしなになってしまいそうでしたからね。
それを回収しながら、これなら私も、面白四コマエッセイが描けるかもしれない、と考えました。時折読むエッセイは、ふふっと笑ってしまうような面白い日常が描かれていますから、私の毎日も、匹敵するのではないか、と思ったのです。ただ、それを作品にする才能は残念ながら持ち合わせていませんので、想像するだけですけれど。それでもずいぶん明るい気持ちになりました。
しかしさすがに、マグカップに目薬は気を付けないといけません。いくらなんでもぼんやりしすぎです。もしかしたら疲れているのかしら。これはゆっくり本でも読みながら、休養する日が必要ですね。